左右のページのノドのアキが合うように余白を設定する

ノドのアキがおかしい?

Wordや一太郎で縦書き小説用に余白・フォント・行間を設定をして、いざ文章を書いてみると、右と左のページでノド(ページ中央)のアキが合わない……という経験はないでしょうか?

実はお恥ずかしながら、当サイト内の「Wordで小説本」で例示しているレイアウトでも、この事態が発生してしまっています。

(ノドほど違いが目立ちませんが、小口(外側)のアキも左右で違いますね)

※2017/06/02追記

当記事の内容は「Wordで小説本(3)本文フォントを設定する」で案内している「行間固定値」で行間を設定している場合の調整方法になります。

その他の行間設定を使用している場合は、同人誌用Wordテンプレート配布サイト【楽描堂】さんの基本の文字組を見直す にて対処法が紹介されているので(「文字数と行数」の項目)ぜひどうぞ。

余白のズレはなぜ発生するのか?

A5サイズの横幅は148mmです。
そして、このレイアウトでは余白を「小口12mm、ノド18mm」に設定しています。

148 – (12 + 18) = 118

ですので、版面(余白を除いた、本文を置く範囲)の横幅は118mmということになります。

続いてフォントを見てみます。この例では、フォントサイズ9pt、行間を固定値18ptに指定。
DTPにおける1ptは1/72インチと定義され、約0.3528mm。18pt=6.35mmとなります。(Googleで「pt mm」と入力して検索すると換算ツールが表示されます
つまり、1行あたり6.35mm。幅118mmの版面に何行入るかは、割り算すればわかりますよね。

118 ÷ 6.35 = 18 あまり 3.7

1ページに18行入って、3.7mmの余りが発生します。

画像の水色の部分が設定した余白。オレンジの部分が、余った3.7mmに相当します。見た目にはオレンジの部分までが余白になるので、指定した数字より余白が大きくなってしまいます。(この場合では18mmの余白のはずが21.7mmの余白に)

対処方法

では、このようなズレを発生させず、左右ページの余白を意図したとおりに表示させるにはどうしたらいいのでしょうか。

上の計算で「あまり」が出ないようにすればいいわけです。すなわち、「(行間×行数)+左右余白=紙の横幅」にぴったりなるように、行間と余白の数値を指定する。

たとえば今回の例であれば、あまりが3.7mm。もう1行入れるには6.35mm必要なので、6.35 – 3.7 = 2.65 つまり余白を2.65mm減らしてやれば、もう1行入れる余地ができます。
Wordは小数点第1位までの指定なので、切り上げて余白を2.7mm減らしましょう。

例として、小口から1mm減らして11mm、ノドから1.7mm減らして16.3mmに指定してみました。

この設定で、見開きでどうなるか見てみましょう。

ノドのアキが左右で合い、きれいな表示になりました。

フォント・行間・行数・余白早見表

でも、「いちいち計算するの、めんどくさい!」……ですよねえ。
早見表を作ってみました。A5サイズと文庫サイズに対応しています。

フォント・行間・行数・余白早見表
見開きにしたときに左右のバランスの取れた版面配置にするための早見表です。 ざっくりと検証してありますが、ミスがありましたらご指摘ください。...

リンク先でも解説していますが、取りたい余白サイズ(ノド・小口の合計)をもとに表を作っています。たとえば、「最低限ノド16mm小口10mmは確保したいな」という場合なら、16+10=26ですので「余白26mm」の項へ。

行送り1.5~2.0で表をつくっています。(行送り=フォントサイズに対する行間の比率。フォント9ptに対し行間18ptなら行送り2.0、フォント8ptに対し行間12ptなら行送り1.5になります)

フォント9ptで行間18pt、行送り2.0とする場合は右下の表。余白27.3mmとなっていますね。先ほど計算したのと同じ数字です。この余白を、ノドと小口に自由に割り振って下さい。

また、「最初の設定であるノド18mm小口12mmより狭くしたくない」なら、18+12=30なので余白30mmの項へ。9pt・行送り2.0なら余白は33.6mm。たとえばノド20mm小口13.6mmのようにすれば、左右バランスの取れたレイアウトとなります。

なお、リンク先のページにも記載してありますが、一太郎の場合は行間にフォントサイズを含めないので、18ptでなく9pt。余白も整数値しか指定できないので、27.3mm→27mm、33.6mm→33mmのように切り下げて下さい。

さらに一太郎の場合、基本の設定ではフォントが行の中央でなく右寄せで配置されるため、最後の最後に

文書全体を選択(Ctrl+A)して[書式]→[フォント・飾り]→[設定]→[字間]→「ベース位置からのシフト量:-50%

という指定をして文字の位置をずらすと、さらにきれいに表示されます。

これは一太郎で本を作る際の難点とされていた「ページの裏表で文字の位置が合わない」という問題の解決法です。詳しくは下記ブログ記事を参照して下さい。

文章屋Y.S.のよしなしごと日記、音楽映画書評など

計算ツール

表を見るのも面倒な人へ、計算ツールも作ってみました。用紙サイズ・フォントサイズ・行送り・行数を選んでいくと余白が計算されます。よければご活用下さい。

追記:行間を変更して対処する方法

上では行間を変更しないまま、余白を変更して調整する方法を案内しましたが、行間の値を変更して調整する方法もあります。
版面の幅118mmで行間を18ptにすると18行入って3.7ミリ余ってしまうわけですから、

18行のまま、行間を広げる場合:
118 mm ÷ 18 行 = 6.5555… mm
6.55 mm = 18.56693 pt
→行間を「18.5 pt」にしてみる

行間を少し詰めて、19行入れる場合:
118 mm ÷ 6.210526315789474 mm
6.21 mm = 17.60315 pt
→行間を「17.6 pt」にしてみる

のように調整ができます。計算としてはこちらの方が簡単かもしれません。(ptとmmの換算でズレが起きる場合もあるので、うまくいかない場合は小数点以下の数字を足し引きしてみてください)

2017/06/02 追記
1.記述ミスを修正しました。
正 「118 ÷ 6.35 = 18 あまり 3.7 」
誤 「130 ÷ 6.35 = 18 あまり 3.7 」

2.前提となる書式について追記し、楽描堂さまへのリンクを追加。末尾に行間値を変更する指定方法を追加。

広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加