Wordで小説本(2) サイズ・段組を決める

サイズと段組を決めよう

ファイルの設定をする前に、まずは本のサイズを決めます。

小説の本というと、文庫本のイメージが強いでしょうか。
かつては同人誌向け印刷所で文庫サイズの本を印刷するのは使えるプランが限られていたり、あってもかなり割高になるなど、ハードルの高いものでしたが、最近では比較的安価な文庫サイズのプランも増えてきています。

この記事でも以前は「文庫サイズ・新書サイズは初心者にお勧めしない」と書いていましたが、最近はそうも言えませんね。

A5の小説本

小説の同人誌でよく見かけるのがA5サイズです。

家庭用プリンタやコンビニなどのコピー機で、一番基本となる紙のサイズが「A4」。
A5は、このA4サイズを半分に折った大きさで、長辺が210mm、短辺が148mmです。
一般的なハードカバー本(四六判)よりもひとまわり大きく、4コマ漫画や愛蔵版コミックスなどでも見られます。

一番簡単なコピー本なら、A4の紙を横に使って見開きに印刷し、折るだけでA5サイズにできますし、個人で利用できる印刷所(同人誌向け印刷所)でも、A5は一般的なサイズです。

※印刷所での一般的なサイズというとB5(漫画雑誌やノートなどのサイズ)もありますが、こちらは主に漫画で使われます。
B5サイズで小説本を作ると、大きすぎて読みにくいという意見が多いようです。

当サイトでは初心者さん向けにA5サイズの小説本原稿の作り方をご案内します。別のサイズを作る場合も、サイズ指定を変えるだけですから、応用して考えてみてください。

A5なら段組は2段で

次に段組です。
段組というのはつまり、「ページ内の文字のかたまりが何段あるか」ということです。

word002
左が1段組、右が2段組。
市販本だと、ハードカバー小説や文庫本は1段、新書は2段が多いですね。

初心者さんは、A5サイズの本なら2段組で行きましょう。
A5サイズの本を1段組で作ると、1行あたりの文字数が長くなり、視線があっちこっちするので、読むのに疲れる本になります。
では、疲れないレイアウトで……と考えると、上下の余白をかなり大きく取ることになり、1ページあたりの文字数が激減してしまいます。
そうすると内容に対してページが増え、コストの高い本になります。

縦書きか、横書きか?

ついでにこれも決めておきましょうね。小説本なら、特段の理由がない限りは縦書き(縦組みとも言います)でいきましょう。
技術書など、横文字を多用する本でなければ、日本語の本は縦書きが一般的です。必然的に綴じ方向も右綴じとなります。

と、いうわけで。

A5サイズ(縦210mm、横148mm)/2段組/縦書き」という仕様が決まりました。
さて、ではこれをWordファイルに設定しましょう。

Wordの書式設定

※Word設定時の用語などはこちらの記事を参照してください。

文字の方向や用紙などは、Wordのリボン上のボタンからも設定できますが、ダイアログボックスからまとめて設定してしまうと簡単。

(1)Wordのオプションで文字体裁を設定

ツール>オプション>文字体裁」(バージョンによっては、「ファイル>オプション>文字体裁」で「文字間隔の調整」を「間隔を詰めない」に設定します。

(画面はWord2016)

(2)ページ設定ダイアログボックスを起動

ページレイアウト」タブの「ページ設定」グループの右下にあるダイアログボックス起動ツール(右下向きの小さな矢印)をクリックして、ページ設定のダイアログボックスを出します。(余談ですが「ダイアログ」とは「対話」。つまりWordさんの質問に答えてねって感じ?)

word003

(3)用紙サイズを指定

ページ設定>用紙>用紙サイズ」で「A5」があるなら選択。なければ、「サイズ指定」で「幅148mm、高さ210mm」を指定します。

(4)余白と印刷の向き

タブを移動して「ページ設定>余白>余白」に数値を入力。「「ページ設定>余白>印刷の向き」を「」に。

余白を大きくとると、ゆったりと余裕がある紙面になりますが、同じ文字数でもページがかさみます。かといって余白を狭くしすぎると、本を持つ指が字の上にかかったり、中央の綴じの部分がしっかり開かなくて字が隠れたりと、読みにくくなります。

余白の数値は、人それぞれの好みが反映される部分なので、試行錯誤しつつ自分の設定を決めてみて下さい。市販の本を参考にするのもいいと思います。

なお、同人誌印刷は市販本に比べて紙が厚くて硬く、綴じの部分(「ノド」と言います)が開きにくいので、ノドの余白は広めにした方が安心です。
分厚い本になればなるほど、ノドの余白には気をつけましょう。

ここでは、「上15mm、下20mm、ノド17mm、小口12.2mm」に設定してみます。

印刷の向きを「」、印刷の形式を「見開きページ」に変更し、「内側」に余白12.2mm(小口の余白)を、「外側」に余白17mm(ノドの余白)を設定します。

※注※
本来、ノドは本の内側に、小口は本の外側にあるのですが、Wordはもともと横書きを標準として作られたソフトだからか、表記も左綴じの本が前提。縦書き右綴じの本では内側・外側が実際とは逆の表記になっています。

※小口とかノドといった用語については、簡易版・同人誌の作り方実録編 第5回「小説本の作り方!」という記事で非常にわかりやすく解説して下さっています。

(5)文字方向と段組

ページ設定>文字数と行数>文字方向」を「縦書き」「2段組」、「文字数と行数の指定」を「行数だけを指定する」に変更。

※文字方向を縦書きに変更したときに、用紙方向が勝手に「横」になってしまうことがあります。この場合は「余白」タブに戻って「印刷の向き」を「縦」に直します。

行数と行送り」はフォント設定後に参照しますので、いったん無視します。

続いてフォントの設定に進みます。→ 本文フォントを設定する

余談:塗り足し設定について

印刷物のサイズ設定について、「仕上がりサイズ+塗り足し3mm」で設定するように、という解説も多くありますが、ここでは塗り足し分を追加せず、仕上がりサイズそのままでデータを作成しています。

(「塗り足しってなに?」というかたはこちらをご参考に→ 塗り足しとは?(断裁ずれにご注意ください)|データ作成の前に|印刷通販の【WAVE】

本文内でも背景を設定したりヘッダーやフッターに装飾をつけるなど、ページの端まで印刷がかかるデザインの場合、断裁で多少ズレがあってもフチが白く残らないよう、塗り足しが必要になります。

ですが今回はシンプルに本文+ヘッダーテキスト+フッターテキストのみのデザインですので、塗り足しなしの仕上がりサイズで設定しています。

印刷会社さんのサイトを見ても、小説原稿で上下左右の辺にかかる装飾がない場合は塗り足し不要とされているところが多いです。

例)A5サイズで塗り足しが無い場合は、148mm×210mmの定型サイズで作成してください。
A5サイズで塗り足しがある場合は、154mm216mmの塗り足し込みのサイズで作成してください。
※本文中に1ページでも塗り足しがある場合は、全ページ塗り足しの込みのサイズとなります。
Wordでの入稿(プリントオン)

質問:Word等で作成した小説原稿の場合、塗り足しは必要でしょうか?
回答:天地左右に塗り足しの必要ではないデザイン(例:天地左右が真っ白など)の場合、塗り足しはなくても大丈夫です。その場合仕上がりサイズでご入稿ください。
天地左右の仕上がりにかかる部分のいずれかに、絵/文字/図柄等が配置されている場合は塗り足しが必要になります。
よくあるご質問:データ制作(STARBOOKS

【ぬりたしの必要なページが全くない(=全ページ、タチキリがなく四方は白いデザイン)場合】
ページ設定での用紙サイズは、[作りたい本のサイズと同じ] (B5本を作るときはB5)に設定して下さい。
Microsoft Office Word (ワード)での入稿方法|株式会社 栄光|栄光情報最前線

印刷範囲とぬりたし
仕上がりサイズの端まで絵柄がある場合、天地左右3㎜のぬりたしが必要です。
(小説本で仕上がりサイズに文字や柄がまったくかからない場合はぬりたしがなくても大丈夫です)
原稿作成の基本 | 緑陽社

※念のため、自分が利用する印刷会社さんのサイトを確認してくださいね。

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  1. 名前:POD出版の仕方 - Walk on Earth 投稿日:2021/03/08(月) 18:19:47 ID:aee15052d

    […] 本を作ろう […]