Word形式入稿で游明朝が使用可能な印刷会社

小説本を印刷所に入稿する際に最も多く使われるファイル形式はPDF形式とのこと。(下記アンケートもご参考にどうぞ)

当サイトでも最終的にPDF形式にすることを前提に記事を書いていますが、Wordファイルで原稿を作成している場合、そのままのファイルを印刷上に送って本にしてもらえれば簡単ですよね。実際にWordファイルのままでの入稿を受け付けている印刷会社もあり、上記のアンケートを見ても7%の人がWord形式で入稿しているとのことでした。

Word入稿の場合に注意すべきなのは使用フォントです。PDFの場合は「埋め込みサブセット」という形式でフォント情報を埋めこむことで、相手のPCの環境に左右されずに意図通りの表示が可能ですが、Wordファイルの場合、ファイルを開いた印刷会社のPCに入っていないフォントは、ファイルを開いたPC内にあるフォントに置き換えられてしまいます。

そのため、Word入稿を受け付けている印刷会社の原稿作成ガイドでは、フォントの扱いについて必ず明記されています。

こうした原稿作成ガイドを見ていきますと、事前連絡やフォントデータの別途添付なくWord入稿で使用可能なフォント(つまり、安心して使えるフォント)について

あらかじめPCにインストールされている「MS明朝」などのフォント

のような表現となっている印刷会社サイトがいくつかありました。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、Windows8.1からは標準フォントは游明朝・游ゴシックが標準フォントとなっており、Office2010以降のユーザーのために無償配布もされています

游明朝は「時代小説が組めるような明朝体」というコンセプトでデザインされた、小説本文向きのフォントです。MS明朝同様に気軽に使用できるなら書き手の選択肢も広がるでしょう。(なお、游明朝で行間が広がってしまう問題については当サイトの記事「サイズ/段組を決める」「本文フォントを設定する」の手順で回避できますので、ご参考にどうぞ)

この游明朝は「あらかじめインストールされているフォント」に該当するのか、しないのか? 疑問に思ったので、いくつかの印刷会社にWord入稿での游明朝の使用の可否と、その回答のWeb公開の可否について問い合わせをいたしました。(ご担当者様におかれましては、日々の業務にお忙しい中、ご回答をありがとうございました!)

前置きが長くなりましたが、この問い合わせにホープツーワンさんと緑陽社さんからご回答および回答公開の許可をいただきましたので、ここに公開いたします。

ホープツーワン

いただいたご回答:

 <質問1:Word入稿で游明朝は使用可能か>
はい。Word形式ファイルにて、
游明朝フォントをご使用いただいてのご入稿は可能です。

Microsoft Wordの「游明朝」ですでにご入稿いただいて、
出力印刷もしております。
弊社ホームページ上も順次追加修正してまいります。

<質問2:ご回答内容をTwitterやWebサイトに掲載可能か>
はい。游明朝使用可能について、掲載いただいてかまいません。

緑陽社

いただいたご回答:

■游明朝について

Windows標準フォントであれば、
弊社にてWord原稿をPDFに変換する事が出来ます。
「游明朝」についても事前のお問合せ無しにご利用いただけます。

■回答掲載について

貴サイトを拝見いたしました。
上記回答内容はtwitter、WEBサイトにて公開いただいて
問題ございません。お力になれましたら幸いです。

とのことでしたので、この二社に関しては、Word入稿用の原稿で游明朝を使用しても何ら問題ないようです。ご参考になれば幸いです。

なお、今後変更の可能性があることなどから回答は公開しないで欲しいとご回答くださった印刷所さんもありました。そちらについてはお名前を含めてここには記載しません。
また、「○○社はどうですか?」「△△社にも問い合わせてみてください」といったお問い合わせ・ご要望には対応できませんので、ご了承ください。

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